20210217_橋本健二『アンダークラス』
橋本健二『アンダークラス――新たな下層階級の出現』(2018年、筑摩書房)
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出てきた意見や感想など
※いずれも個人の見解をかなり要約したものです。
- 米国におけるトランプ前大統領の登場や、それを支える「QAnon」のような陰謀論も、主な支持層はこの本でいうところの「アンダークラス」ということになると思う。経済的にも不安定で、世の中の他の人々(「資本家階級」や「新中間階層」)からも「自己責任」の名の下で冷淡に扱われた彼らが、自らの救ってくれる存在としてトランプを求める気持ちは理解できる。
- 自己責任が批判されていたが、ポスドク問題も同様だと思う。政府の方針で大学院重点化が行われてたのにポストは増えないから、任期付きで不安定なポスドクが増えたり、「高学歴ワーキングプア」が増えたりした。政府の方針でこういう問題が生まれたのに、「自己責任」として扱われてきた。決して東大生も他人事では済まされないだろう。
- 参考資料で出ていた「タワマン=ゲーテッドコミュニティ」という視点は、やや強引な気もしたが興味深かった。少し前に多摩川が氾濫して武蔵小杉のタワマンで、エレベーターも上下水道も止まるということがあったが、それに対してインターネットでは「ざまあ」的な意見も多かった。昔は高級車、いまはタワマンという目に見える形での階級対立があるのではないか。
- タワマンの中でも高層階と低層階で対立があるらしいが……
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